JGAS(印刷機材展)レポート
印刷関連業界の展示会「JGAS」に行ってきました。
今回のテーマは
「Print+α プリントメディアの新たな挑戦!」
ということでした。
全体的に前回よりも規模が縮小していると感じましたが、
聞いてみるとやはり約15%程縮小したようでした。
先日のサイン&ディスプレイショウをみても年々縮小している感じで
プリント業界 何か寂しい・・・ね
さて、この業界これからどうなっていくのか?
業界を取り巻く環境は悪くなる要素ばかり。
先日も売上げ100億円以上の会社が倒産してたし・・・
検索エンジンで「印刷会社」と検索すると「印刷会社 倒産」というキーワードが一番上に出てくる。
ただ、厳しい現状の中でもまったく新しい発想で業績を伸ばしている企業もあるのは確かで、
そのような企業は機械の性能とかではなく、
売り方(ネットの活用など)や他社にない強み
商品やターゲットの絞り込みで効率化・専門化
または
今回のJGASのテーマであるように
印刷だけでない+αの付加価値だったりする。
「印刷業は設備産業」と言われてるけれども、会社を伸ばす為に重要なのは設備ではない。
と思う。
そんな中、各メーカーはどのような機械を出展しているのかを軽く見てみようと思い、
行ってきました。
全体の感想としては、
やはり成熟産業の機械展。
これは? と思う物もほとんどなく、
残念でしかたがなかったが、
実際のところ、今業界が大きく変わっている時。
これまでのやり方では生き残っていけない。という時期。
印刷会社も悩んでいるが、機械メーカーも悩んでいる? まぁ、仕方がないのかもしれない。
そんな中、各機械メーカーが動こうとしている方向性が少し見えてきた。
いや、これまでの流れもそうだったけど、より一層その方向に進化しているなと感じた。
それが顕著に表れていたのが、富士フィルムと日本ヒューレット・パッカードのブースだった気がする。
デジタル印刷機がここまで大きくなったのには正直驚いた。
これまでのオンデマンド印刷機のようなコピー機の進化したやつ・・・のイメージとは違い、
まさにオフセットの枚葉機のような作りで、実は版を必要としないインクジェット機。
しかもオフセット枚葉機と比べても違いが判らない程キレイな仕上がり。
厚紙もOK! さらにサイズがB2までいけるようになっていた。
これまでのオンデマンド印刷機はほとんどがA3サイズだったのに対し、
B2サイズを通せるようになった事はかなり大きなインパクトになると思う。
B4チラシを4丁付けで印刷できるデジタル印刷機。しかもキレイ。
富士フィルム「Jet Press720」
そして下の写真はインクジェットの輪転機みたいなやつ。
これはHPのIndigo 展示会開催期間中だけでもかなり売れていた。
さて問題はオフセット印刷機との枚数分岐点。
聞いたところやはりデジタル機なので、小ロット多種の仕事にメリットが出せるとか。。。
ではデザイン1種あたり何枚までならオフセット印刷と比べてメリットが出せるのか?
100枚程度なのか?1000枚程度なのか?1万枚レベルまでいけるのか?
激安印刷通販会社により小ロットの印刷が考えられないくらいに安くなった現状において
どう対抗できるのか?
と考えた時に、まだまだ疑問が残る。
どうしても デジタル機=小部数が得意 小部数なのに機械が高い。 まだ1億円レベル。 ここが矛盾するところ・・・
ただ、オフセット印刷機のデジタル化は今後もどんどん進化していくと考えられえる。
サイン業界がインクジェットの出現によって、
看板業・シルク印刷業・旗屋・テント屋などの関連業界の垣根がなくなってきたように
デジタル枚葉機が進化するにつれて、他業種からの進出が容易になる。
そうなった時にさらに競争が激化するのは目に見えている。
やはり、他社にじゃまされない、価格競争に巻き込まれない市場を作っておかないと・・・
あと、
サイン業中心の大型出力機もすごいのがHPから展示されていた。
写真はHP Latex3000
大型の出力機で3200巾まで一発で出力できる。2丁付け出力も可能。
これも何台か売れていた。
そしてとんでもない機械が1台売れていたのがビックリ。
HP UVフラットベットインクジェット出力機 FB7600
パネル等のボードにも直接印刷する世界最速の出力機。
絶対売れないと思っていたら、、、東京の某印刷会社が買ったらしい。 納得・・・
しかし、そりゃすごい機械だけど、3億円の価値があるのか?????
まぁ、機械云々よりも「3億円の機械を買った」というインパクトが市場に与える影響を考えると
ありなのだろうか・・・? オリンピック需要を考えての事なのか・・・?
いずれにしてもすごい事だ。
他はというと、まぁ目を引くものは無し。
300万円ぐらいの小型UVインクジェット機でiphoneカバーに出力してたり
3Dプリンターがあったり、
カッティングマシンがあったり
機械メーカーも、もう少し印刷会社の目線で、更にはその先のお客様の目線で、
「ただ機械を売る」のではなく、その機械でどのターゲットに対してどのような商品を売る事ができて
その市場規模はどれくらいで・・・みたいなところまで提案できるともっと売れる気がするんだけど、
そうではない会社が多い。
市場が伸びている時は、主役は印刷会社で
機械メーカーは、機械のスピードが速くなった。印刷がきれいになった。サイズが大きくなった。 で、
機械は勝手に売れたと思うけど、
今はそうじゃない。
機械の進化が「新たな市場を掘り起こす」という事にもなり、業界全体を活性化させるので、
機械の性能云々は今は重要ではないといいながらも、これからも期待したいと思う。
HPが世界的に拡大しようとしている壁紙市場がまさにそうで、
オリジナルデザイン壁紙(グラフィッククロス)市場の将来性について全国でセミナーを行ったり、
壁紙デザイン制作用のシステムを開発したり・・・
そうしていきながら印刷をする為の機械を販売している。
機械メーカーと印刷会社が一緒になって市場を拡大していくという事が
お互いの関係性としては、もっとも理想的な気がする。
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